ブレイクのダンテ「神曲」への挿絵 |
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第二圏で気を失ったダンテが正気を取り戻すと、すでに第三圏たる貪欲者の圏にいた。ここは貪欲の罪によって落とされてきた罪人どもがいるところ。彼らは、休みなく降る雨に濡れそぼちながら、三頭の怪獣ケルベロスに身を引き裂かれ、永遠にのたうちまわる運命にある。 所縁の兩者をあはれみ、心悲しみによりていたくみだれ、そのため萎えしわが官能、また我に返れる時 我わがあたりをみれば、わが動く處、わが向ふ處、わが目守る處すべて新なる苛責新なる苛責を受くる者ならぬはなし 我は第三の獄にあり、こは永久の詛ひの冷たきしげき雨の獄なり、その法と質とは新なることなし 大粒の雹、濁れる水、および雪はくらやみの空よりふりしきり、地はこれをうけて惡臭を放てり(地獄篇第六曲から、山川丙三郎訳) 地獄の第三圏の様子。降りしきった雨が沼となり、その沼の中で大勢の亡霊が苦悩している。彼らは生前の貪欲を罰せられてここへ落ちて来たのである。 |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2016 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |