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ーウィリアム・ブレイクの詩とイラストの世界ー

 始まりの歌 Introduction

 
  吟遊詩人の声を聞け
  過去、現在、未来を見通し
  その耳はとらえたのだ
  聖なる言葉を
  古の木々の森をこだまする声を

  その声は異教の魂に呼びかけ
  草のしずくにも染み渡り
  星々のきらめく
  北極を動かし
  落日をもよみがえらせるのだ

  大地よ、戻れ大地よ
  しずくに濡れた草から立ち上がれ
  夜は去った
  朝日が昇る
  まどろみのうちより目覚めて

  もはや去ることをやめよ
  去ることはやめて
  夜明けの星を眺め
  水辺に立ちつくせ
  すっかり夜が明けるまでは
  



「経験の歌」の Introduction は、「無垢の歌」のものとは異なり、荘重な雰囲気の中で始まる。「無垢の歌」では、小さな子どもの笛吹きへの呼びかけが、人間の心の純真さと、これから始まる詩集の明るいイメージを先取りしていたのだが、「経験の歌」においてはそれに反して、これから人間が蒙るであろう苦い思いを先取りして、暗い雰囲気にならざるを得なかったのである。




Introduction

  Hear the voice of the Bard!
  Who Present, Past, & Future sees
  Whose ears have heard,
  The Holy Word,
  That walk'd among the ancient trees.

  Calling the lapsed Soul
  And weeping in the evening dew:
  That might controll,
  The starry pole;
  And fallen, fallen light renew!

  O Earth, O Earth return!
  Arise from out the dewy grass;
  Night is worn,
  And the morn
  Rises from the slumberous mass.

  Turn away no more:
  Why wilt thou turn away
  The starry floor
  The watery shore
  Is giv'n thee till the break of day

  

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