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ーウィリアム・ブレイクの詩とイラストの世界ー |
病気のバラ The Sick Rose |
病気のバラよ 見えない虫が夜にまぎれて 嵐のような羽音をたてつつ お前のところに飛んでくるや 緋色に輝き喜びに満ちた お前の花びらをベッドにしたのだ 虫の暗くてひそかな愛が お前の命を滅ぼしたのだ |
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「病気のバラ」と題するこの詩は、バラに重ねて乙女の不幸を歌っているとも読み取れる。バラがその美しさのゆえに、虫の暗くてひそかな愛によって滅ぼされるように、乙女もその美しさゆえに滅びることがある。 だが解釈はあくまでも解釈に過ぎない。この詩に歌われているのはあくまでもバラと、それにひそかに忍び寄る見えざる虫だ。始めに worm とあるので、毛虫の類を連想していると、次には fly と出てくるので、いつの間にか羽虫にイメージがすりかわっている。 |
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The Sick Rose William Blake O Rose thou art sick. The invisible worm, That flies in the night In the howling storm: Has found out thy bed Of crimson joy: And his dark secret love Does thy life destroy. |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2007
このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである