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ーウィリアム・ブレイクの詩とイラストの世界ー |
始まりの歌 Introduction |
吟遊詩人の声を聞け 過去、現在、未来を見通し その耳はとらえたのだ 聖なる言葉を 古の木々の森をこだまする声を その声は異教の魂に呼びかけ 草のしずくにも染み渡り 星々のきらめく 北極を動かし 落日をもよみがえらせるのだ 大地よ、戻れ大地よ しずくに濡れた草から立ち上がれ 夜は去った 朝日が昇る まどろみのうちより目覚めて もはや去ることをやめよ 去ることはやめて 夜明けの星を眺め 水辺に立ちつくせ すっかり夜が明けるまでは |
「経験の歌」の Introduction は、「無垢の歌」のものとは異なり、荘重な雰囲気の中で始まる。「無垢の歌」では、小さな子どもの笛吹きへの呼びかけが、人間の心の純真さと、これから始まる詩集の明るいイメージを先取りしていたのだが、「経験の歌」においてはそれに反して、これから人間が蒙るであろう苦い思いを先取りして、暗い雰囲気にならざるを得なかったのである。 |
Introduction Hear the voice of the Bard! Who Present, Past, & Future sees Whose ears have heard, The Holy Word, That walk'd among the ancient trees. Calling the lapsed Soul And weeping in the evening dew: That might controll, The starry pole; And fallen, fallen light renew! O Earth, O Earth return! Arise from out the dewy grass; Night is worn, And the morn Rises from the slumberous mass. Turn away no more: Why wilt thou turn away The starry floor The watery shore Is giv'n thee till the break of day |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2007
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